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日本ユニセフ協会
 



東日本大震災緊急募金 第160報
アフガニスタンと福島の高校生
七夕に“再会”

【2012年7月6日 東京発】


2012年7月5日(木)、福島県いわき市の高校生と、アフガニスタンの首都カブールの高校生たちが、ビデオチャットを通じた合同授業で、約1年ぶりの再会を果たしました。
福島の高校生とアフガニスタンの高校生、遠く離れた彼らの最初の出会いは、昨年の東日本大震災後。手紙を通じての交流でした。

東日本大震災発生直後から、ユニセフには、30を超える国や地域の子どもたちから2000通を超える被災地の子どもたちへの応援やお見舞いのメッセージが届きました。この手紙を被災地の子どもたちに届け、世界と被災地の子どもたちの間の「絆」を築いてきたのがユニセフ「Tegami Project」です。
今回の合同授業の舞台の一つとなった福島県立湯本高校には、昨年7月、日本政府とのユニセフの協力で建設されたカブール市内のタジワル・スルタナ女子高校の生徒たちからの手紙が届けられ、後日、湯本高校の生徒たちの返事もアフガニスタンに届けられました。 昨日行われた合同授業では、これまで“手紙”を通じて交流してきた両校の生徒たちが、Google+ハングアウトを利用したビデオチャットを通じて、はじめてお互いの顔を合わせ、生の声での“再会”を果たしたのです。

湯元高校の生徒たちが、アフガニスタンの高校生に「サラーム・アレイコム!!(ダリ語で「こんにちは!」)と挨拶すると、画面の向こうから「コンニチハ!」の声。「うわぁー!」という歓声と大きな拍手でビデオチャットは始まりました。
湯本高校英語科2年生の安齋優花里さんは、震災直後に市内の中学校に手伝いに行った時のことを振り返り、「避難していた人たちが苦しんでいるのを見て、とても胸が痛くなりました。震災があって、平凡な毎日がどれだけ幸せだったかということに気づきました」と話しました。またタジワル・スルタナ女子高校のサーミヤさんは、「学校は、友達や先生と集える、安心できる場所です。学校にくれば、将来のためにいろいろなことを勉強できます。私は、勉強を続けていきたいです」と学ぶことへの思いを語りました。
また、高校生たちは、「学校で、どんなことが楽しい?」「アフガニスタンの美味しい食べ物を教えて」といった質問を交わし合い、少し照れながら、けれどとても嬉しそうに交流を楽しみました。


このビデオチャットを通じて話されたのは、子どもの立場から見た紛争や災害の中でのチャレンジ、困難な状況の中で学校が果たす役割、それぞれの国の復興への課題や、未来への希望、大人社会へのメッセージなど。今回なぜ彼らがこのようなことを話し合ったか。実は彼らのこれからの将来に関係するとても大きな意味があったのです。来る7月8日(日)、日本政府(玄葉外務大臣)とアフガニスタン政府(ラスール外相、ザヒルワル財務相)が共同議長となり「アフガニスタンに関する東京会合」が都内で開催されます。日本ユニセフ協会とユニセフ東京事務所は、子どもたちに視点が置かれたアフガニスタンの復興への取り組みの継続の重要性を訴えるため、この機会を捉 え、日本ユニセフ協会による東日本大震災支援活動の一環として実施されたユニセフ「Tegami Project」を通じて絆がつくられた福島とアフガニスタンの高校の教室をインターネットでつなぎ、ビデオチャットを通じた合同授業の開催を決定しました。

昨日の湯本高校の会場には、同会合のため来日するユニセフ・アフガニスタン事務所のピーター・クローリー代表が、タジワル・スルタナ女子高校には、アフガニスタンのワルダック教育大臣や在アフガニスタン日本大使館岡田誠司公使が参加し、子どもたちの願いやメッセージを受取りました。
そして、アフガニスタンと福島の子どもたちが話し合いをしていた同時刻、東京都内では、黒柳徹子ユニセフ親善大使とユニセフ東京事務所の平林代表が玄葉外務大臣を表敬し、アフガニスタンと日本の子どもたちのメッセージを伝えました。

また、今回の再会が七夕の2日前ということもあり、タジワル・スルタナ女子高校の生徒たちは、湯本高校の生徒たちに応援と復興と未来への願いを込めた短冊を寄せてくれました。彼女たちが書いてくれた短冊は、ビデオチャット会場となった教室に飾られ、また、湯本高校の生徒たちも、ビデオチャット後、アフガニスタンの生徒たちへ送る短冊に願いをたくしました。湯本高校のみんなが書いた短冊は、ユニセフ・アフガニスタン事務所代表のピーター・クローリー代表が持ち帰り、タジワル・スルタナ女子高校の生徒に手渡される予定です。

この合同授業の様子は、今夜22時からの NHK BS-1 「ワールドWaveトゥナイト」内で紹介される予定です。
※放送日時・内容は事前の予告無く変更される場合がございます。予めご了承ください。

写真クレジット全て:© 日本ユニセフ協会

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