公益財団法人日本ユニセフ協会
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アフリカ干ばつ緊急募金 第52報
子どもたちに忍び寄る危機

【2012年3月16日 ダカール/ジュネーブ発】

© UNICEF/NYHQ2012-2512/Patricia Esteve
チャド・シラ東部の紛争地域近くの避難キャンプにあるユニセフが支援している治療用食事センターで休む女の子。

アフリカのサヘル地域に暮らす100万人以上の5歳未満の子どもたちが直面している災害を食い止めるための時間は、あとわずかしか残されていないとユニセフは警鐘を鳴らしています。被災した8ヵ国に作物の収穫量が減る乾季がやってくるのは、もう時間の問題です。ユニセフの治療用の給食センターに運び込まれる救命治療が必要な子どもの数も増えるものと見られています。

「複数の災害が、サヘル地域の子どもたちに忍び寄っているのです」こう話すのは、ユニセフ西部・中部アフリカ地域事務所のデヴィッド・グレスリー部長です。「最良のシナリオを考えても、今後半年の間に、100万人以上の子どもたちが重度の急性栄養不良で治療用の給食センターにやって来ることが予測されています。また、その数は150万人に達する可能性もあり、さらなる深刻な状況が懸念されていますが、必要最低限の支援を行うための資金も、まだ集まっていないのです」2012年の緊急支援に必要な資金として、1億1,900万米ドルを国際社会に要請していますが、現在までに、ユニセフ西部・中部アフリカ地域事務所に届けられた資金は、2,400万米ドルに過ぎません。

ユニセフは、各国政府、他国連機関、国際NGOなどと共に、雨不足と不作による危機の影響を受けた、チャド、ブルキナファソ、モーリタニア、マリ、ニジェール、ナイジェリア北部、カメルーン北部、そしてセネガル北部に暮らす推定1,000万の人々に支援活動を展開しています。多くの人々が住む場所を追われたマリでの紛争により、マリだけでなく、同国からの避難民を受け入れた周辺国でも緊急支援がさらに求められています。

「マリでの武力紛争の勃発、またナイジェリア北部やその他の地域での深刻な政情不安により、支援活動は複雑化しています」グレスリー部長は、続けます。「中長期的に、リスクを回避するための継続的な努力と緊急支援活動を十分に行わなければ、全ての世代が、支援が必要な状況や貧困、生存の危機に直面することになります」