公益財団法人日本ユニセフ協会
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アフリカ干ばつ緊急募金 第65報
モーリタニア:命を守る支援物資到着

【2012年4月23日 モーリタニア発】

© UNICEF Mauritania/2012/Martel
モーニタニアのヌアクショットで貨物機から支援物資を降ろすユニセフのスタッフ。

22日(日)朝10時40分、モーリタニアの首都ヌアクショットの空港に、命を守るユニセフの支援物資(4万6,000キロ分)を載せた第一便の貨物機が到着。この支援は、米国ユニセフ協会の協力の下、UPS(ユナイテッド・ パーセル・サービス株式会社)の支援により実現しました。

この支援物資は、悪化する栄養危機の影響を受けている子どもとコミュニティに届けられる予定です。また、マリでの武力紛争により避難を余儀なくされた避難民と、こうした避難民を受け入れている人々にも届けられます。

過去数年間で最も厳しい時期

アフリカ干ばつ緊急募金サヘルからの第4報

モーリタニアは、アフリカのサヘル地域を襲う食糧危機の影響を受け、この数年間で最も厳しい時期に直面しています。干ばつ、食糧価格の高騰、不作による食糧危機で、モーリタニアでは70万人が苦しんでいます。現在も、多くの子どもたちが栄養不良に陥っており、これから9月下旬まで収穫高が減る時期が続くため、その間に更に多くの子どもたちがこの影響を受けるものと懸念されています。

2011年12月、すでに急性栄養不良状態だった子どもは3万5,000人いましたが、そのうち5,000人以上が重度の急性栄養不良に陥り、死に直面する事態となりました。いま、およそ1万2,600人の子どもたちが、そうした重度の急性栄養不良に直面する可能性があると推定されています。

最も深刻な食糧危機の影響を受けている地域のひとつ、モーリタニアでは、マリから5万6,000人以上の避難民が避難してきたことにより、状況はさらに複雑になっています。こうした避難民のほとんどが女性と子どもたちです。

危機に見舞われた人々への重要な支援物資

© UNICEF Mauritania/2012/Martel
モーリタニアのヌアクショットに到着した支援物資。

既に疲弊しているコミュニティは、この二つの危機によって大きな危険にさらされています。しかしながら、モーリタニアは、広大な土地に人々が点在して暮らしており、最も支援を必要としている人々に支援が届き難い状況です。

UPSが支援した貨物機によって、ユニセフとパートナーは、より迅速に対応することが可能となり、支援物資を求めている人々により速く物資を提供することができます。

この支援物資には、重度の急性栄養不良に陥っている子ども460人を治療できるすぐに口にできる栄養治療食(RUFT)8,700キロ分、石けんやタオル、その他の生活必需品が含まれる衛生キット5,000セット(1万人分)、葉酸タブレット1万個、小児用抗生物質1万2,000個といった医薬品も含まれています。

また、医薬品を含む医療品キットを6セット(6万人を3ヵ月間治療できる)、臨時学校用テント7基(子ども840人分)、避難民に飲料水や調理に使う水を毎日供給できる折りたたみ式貯水タンク6基(4000人分)も提供しました。

資金

ユニセフは、栄養危機の影響を受けているモーリタニアの320万人の子どもとコミュニティのニーズに応えるための初期費用として、320万米ドルの資金を国際社会に求めていますが、これまでに寄せられた支援は、220万米ドルに留まっています。

また、避難を余儀なくされた女性と子どもたちと、こうした人々を受け入れている人々のために、今後6か月分の資金として、470万米ドルの資金を求めていますが、集まった支援はわずか16%の79万5,000米ドルです。