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ユニセフ協会からのお知らせ

6月12日は「児童労働反対世界デー」
今年は「家事労働」の問題にフォーカス

【2013年6月11日 ニューヨーク発】

© UNICEF/NYHQ2010-2469/Kamber
コートジボアールの首都アビジャンの市場で、頭の上にボールを抱えた女の子。この市場で何かを売ったり、荷物を運んだりして働いている子どもたちは数百人にのぼる。その多くは、8歳から16歳までの女の子だ。

6月12日は、「児童労働反対世界デー」です。今年は、家事労働(他人の家での家事)に従事させられている子どもたちの問題に焦点を合わせています。

6月12日の「児童労働反対世界デー」を迎えるにあたり、ユニセフは、危険で搾取的な環境の中で働かされている子どもたちの問題が、我々の想像以上に大きな問題となっている現状を訴えています。ユニセフの推定によれば、世界の5歳から14歳までの子どもで児童労働に従事させられているのは、およそ6人中一人。国際労働機関(ILO)によれば、家事労働に従事させられている子どもは、5歳から14歳までの740万人に上ります。

世界中で、何百万もの子どもたちが、家計を助けるために働いています。しかし、もしそうした子どもたちの年齢が非常に幼い場合や、虐待や搾取を受けているような状況であれば、そして、本来なら学校に通っているはずの時間を奪われているのであれば、そうした労働は、ユニセフとして到底容認できるものではありません。

「子どもたちは絶対に働くべきではないと言っているわけではありません」「しかしながら、子どもが最も危険な形態での労働に従事させられている時、あるいは学校に通うことができない状況に置かれている時、または、危険に晒され、健康に支障をきたし、子どもたちの安全や福祉が保たれていないなら、子どもたちをそうした状況から守らなければなりません」ユニセフ本部のスーザン・ビッセル子どもの保護事業チーフはこう話します。

© UNICEF/BANA2012-00210/Khan
バングラデシュの首都ダッカの、とあるゴミ捨て場。危険で健康を害するような環境で働くマスドさん(10歳)。急激な都市化と人口増加のため、児童労働の増加も懸念されている。

ILOがこの度発表した報告書『家庭内労働に従事する子どもの根絶と虐待的な労働条件下で働く子どもの保護(仮訳。原題:“Ending Child Labour in Domestic Work and Protecting Young Workers from Abusive Working Conditions”)』によると、まだ法的に労働が認められている年齢に達する以前から、危険な環境の中での労働や奴隷のような状態での重労働を強いられている子どもは、世界で女の子を中心に数百万に上ります。

報告書は、家事労働に従事する人々は、最も搾取され易く、最も虐待を受け易い環境の中に置かれていること、また、家事労働に従事させられている子どもたちの多くは、雇用主と同じ屋根の下で暮らしているため、性的搾取や人身売買の危険に非常に晒され易いと訴えます。

ユニセフは、国際社会が、2011年に採択されたILOの家事労働者条約(第189号)を履行するよう訴えています。家事労働に従事する女性と女の子にとって、この条約の成立は画期的な出来事でした。本条約を最初に批准したのは、ウルグアイやフィリピン、モーリシャス。現在、20ヵ国が、批准に向けて準備を進めています。「多くの子どもたちが、“遊ぶ楽しさ”をほとんど知りません」「子どもたちが、自身の成長に必要なサポートを受けられるようになり、安全が確保され、‘子ども’として生きられるようになれば、子どもたち一人ひとりの未来も、そして社会の発展も、大いに改善されることになるはずです」(ビッセル子どもの保護事業チーフ)

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