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財団法人日本ユニセフ協会
 



シリア緊急募金 第53報
日本政府 ユニセフへ「シリア難民・国内避難民の緊急支援」決定

【2013年6月26日 東京発】

© UNICEF/NYHQ2012-1294/ALESSIO ROMENZI
水汲みにならぶ子どもたち(シリア)

深刻化する紛争によって被害を受けているシリア難民・国内避難民の支援のため、日本政府はユニセフへ200万米ドル(約2億円)の支援を決定し、拠出しました。この緊急無償資金協力のうち、シリア国内の女性と子どものために100万米ドル(約1億円)が投じられ、ユニセフは、向こう6ヶ月間で、喫緊に必要とされている「水と衛生(WASH)」や「保健サービス」の支援を実施します。また100万米ドル(約1億円)でヨルダンに避難を余儀なくされたシリア難民のために「水と衛生」の緊急支援を行います。

■衛生環境悪化による感染症拡大の危険

40度を超える炎天下の夏が近づく中、シリアと周辺国各地の難民キャンプでは、腸チフス、下痢症、A型肝炎といった感染病の勃発を防ぐことが主要な課題となっており、「水と衛生」の支援は最優先で取り組むべき活動と位置づけられています。

「密集したテント、不十分な水の供給量、トイレ不足、劣悪なごみ処理、下水タンクの氾濫、不衛生な環境といった理由で、難民キャンプ内の病気が増加する可能性が高まっています」と現地のユニセフの水と衛生担当官は述べています。

■日本政府、水と衛生、衛生用品などを支援

シリア国内で2013年1月〜5月までに配布された衛生キットの数。激しい戦闘が起きている地域にも、命がけの輸送と配給が続いている。

日本政府の支援によって、ユニセフ・シリア事務所は、関係省庁と協力しながら発電機、ポンプ、機械部品、移動型水処理装置、水質検査機器などを調達し、機能停止に陥っている水供給システムの復旧作業を行うとともに、800万人以上の人々へ安全な水と清潔な衛生環境を提供します。同時に保健の分野では、新生児キット(乳児用毛布、シャンプー、石けん、タオル、おむつなど)、下痢対策キットを調達し、シリア保健省が配布します。

一方、ユニセフ・ヨルダン事務所は、日本政府の資金援助で、ザータリ難民キャンプに配水管を設置、下水を収集し近隣の下水処理施設へ輸送、また難民を受け入れている地元自治体の50の学校で貯水タンクやトイレ、手洗い施設などの設置を行います。

■支援を必要と人の半数以上は子どもたち

3年目に突入したシリア内戦による被害者の総数は、現時点で680万人に達すると予測されています。そのうちの半数以上が子どもたちで占められ、緊急支援を必要としている子どもの数は、現在発表されているだけで400万人を超えている状況です。

ユニセフは、パートナー団体とともに、シリア国内とシリアからの難民を受け入れているイラク、トルコ、ヨルダン、レバノンといった周辺国の子どもたちに支援を拡大しています。今年だけで150万人の子どもたちにはしかの予防接種を行い、1,000万人を超える人々に安全な水を提供しました。さらに20万以上の子どもたちが学校へ入学しました。しかしますます膨らんでいく支援ニーズに対して、資金や物資が追いついていないのが現状です。

■史上最大規模の支援を要請

ヨルダン・ザータリ難民キャンプで難民自身による衛生習慣普及活動の様子

このような中、ユニセフは、他の国連機関とともに、何百万人にも上る人々のニーズに対応するため、史上最大規模の支援を訴えています。

今月発表された国連全体のシリアおよび周辺国の支援を要請する「シリア人道支援対応計画(SHARP)」と「地域対応計画(RRP)」の合計要請額は44億9千万米ドルで、史上最大規模の資金援助を、国際社会に要請しています。その中でUNICEFは、2013年の1年間の緊急支援に必要な資金として合計4億7千万ドル(約470億円)を要請しています。

※本件はユニセフ東京事務所によるプレスリリースです

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