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財団法人日本ユニセフ協会
 



シリア緊急募金 第50報
史上最大規模4億7千万米ドルの資金援助を、国際社会に要請

【2013年6月7日 ニューヨーク発】

© UNICEF/NYHQ2013-0315/Greco
シリア国内の遺跡の中で避難生活を送る少女。武力攻撃のターゲットになりにくい“遺跡”は、多くの人々の避難場所になっている。

ユニセフは、他の国連機関とともに、子ども400万人を含むシリアの武力紛争の影響を受けている何百万人にも上る人々のニーズに対応するため、史上最大規模の支援を訴えています。

シリアでは予断を許さない状況が続いています。ユニセフは、シリアの武力紛争の影響を受けている人々への2013年の1年間の支援活動に必要な資金として、史上最大規模4億7千万米ドル(約450億円※)の資金援助を、国際社会に要請。 国連はユニセフを含めた機関全体の支援額として、史上最大規模の44億米ドル(約4180億円※)の支援を求めています。
※1米ドル=95円で計算。

当初210万人に予測されていた命を左右する緊急支援を必要としている子どもの数は、現在までに400万人に膨れ上がっています。

シリアでの武力紛争の危機の影響を受けている人の数は、現時点で680万人にも達するとユニセフは見ています。すなわち、影響を受けている人々の半数以上が、子どもたちで占められているのです。また、160万人は、イラクやヨルダン、レバノン、トルコといった隣国への避難を余儀なくされています。

「これらの数値は、この危機の大きさを表しています。しかし同時に、数値が、一人ひとりの身の上に起きている悲劇を覆い隠してしまっています。‘どこにでもいる普通の’女性や男性、そして子どもたちが、この危機の矢面に立たされているのです」国連のヴァレリー・エイモス人道問題担当事務次長兼緊急援助調整官はこのように述べました。

今年4月、ユニセフのアンソニー・レーク事務局長は、各国政府に対し、シリアのみならず周辺諸国全域の安定を揺るがしている武力紛争に政治的な解決をもたらすよう、他の国連諸機関と共同で、前例のない共同声明を発表しました。

「ユニセフは、全ての紛争当事者と、彼らに影響を与えることができる立場に居る人々に対し、戦争に子どもを巻き込まないという原則を改めて遵守するよう訴えます」 ユニセフの緊急支援オペレーション部のテッド・チャイバン部長は、こう述べました。

「ロスト・ジェネレーション(失われた世代)」を生む危険

© UNICEF/NYHQ2013-0205/Morooka
シリアの主要都市ホムスに設置された国内避難民用の避難所で、医師の診察を受ける赤ちゃん。ユニセフを通じて届けられる国際社会の支援は、シリア国内の多くのNGOが展開するこうした活動の生命線となっている。

武力紛争による暴力に加え、人々の大規模な移動や、人々の生活に必要不可欠な基礎的な社会サービスの提供体制の崩壊が、混乱と悲劇を招いています。

夏が近づく中、感染症や不衛生な衛生環境に起因する新たな危険も迫っています。

ヨルダンやレバノンといった周辺諸国は、流入が続く難民への対応に苦慮し続けています。

「支援が必要な状況は膨大です。さらに、その規模は、日増しに拡大しているのです」ユニセフのサラ・クロエ広報官は、こう語ります。

今年はじめ、ユニセフは、シリアの子どもたちが、“ロスト・ジェネレーション”(失われた世代)となり得ると警鐘を鳴らしました。状況が悪化し続ける中、この懸念が現実のものとなりつつあります。

拡大するニーズに追いつかない支援

ユニセフは、パートナーと共に、シリアと近隣諸国への避難を強いられている子どもたちのために、命を守る支援を、現在、何とか継続している状況です。

今年に入ってからだけでも、ユニセフは150万人の子どもたちに、はしかの予防接種を実施。100万人以上に安全な飲料水を提供しました。20万人以上の子どもたちが、学校に通い始めました。

支援活動は、世界各国からお寄せ戴いている資金で拡大し続けていますが、現場の支援のニーズはそれを遥かに凌ぐペースで急速に拡大しています。

「規模の拡大だけでは足りません。人道支援活動は、既に大規模に展開されています。支援ニーズが拡大し続ける中、支援規模の拡大のペースも上げていかなければならないのです」(クロエ広報官)

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