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女子や女性が性的な暴力を受ける背景として、住居に鍵がないこと、多数の男性親族といっしょに暮らしていること、プライバシーがないことがあげられます。また、自宅やテントであっても、シャワーやトイレ、台所といった共有スペースも被害場所となっており、夜間となるとその危険性はいっそう高まります。男子は女子よりも、通学途中に暴力を受けることが多くなっています。 ■弱い立場の人がサービスを最も受けにくい女性のみの世帯や障がいのある家族がいる世帯は、キャンプ内のサービスが利用しにくい状況にあります。特に、配給の受け取り場所には、男性が多くいることから、女性が暴力を受ける危険性が高くなっています。 現在ヨルダンには、障がいのあるシリアの子どもが25,000人いると推定され、うち5000人はザータリ難民キャンプにいるとみられていますが、こうした子どもたち及び家族も、サービスを受けにくいのが実情です。 <弱い立場にある人たちの内訳> 身体的な障がいのある人30%、女性のみの世帯26%、精神的な障がいのある人14%、新たにキャンプに来た人10%、子どものみの世帯10%、その他(高齢者、妊婦)10% ■徴兵などを恐れてひとりで避難する子どもも子どもたちの大多数は家族とともに避難してきますが、ひとりで、またははぐれてしまった子どもたちもいます。3月末時点で、ひとりで避難してきた子どもは307人(男子217人、女子90人)、はぐれてしまった子どもは323人(男子213人、女子110人)。 子どものみで避難してきた背景には、シリア軍への徴兵や反政府勢力の家族が逮捕されたことを恐れていることがあげられます。こうした子どもたちが家族のもとへ戻れる取り組みが行われていますが、親族以外の人と国境を越えてくる子どもたちも多くいるため、慎重に進められています。 ■治療を受けたあと、シリアに戻って戦う子どももザータリ難民キャンプに暮らす少年の多くは、シリア国内の武装集団に何らかのかたちで巻き込まれています。また、シリアで負った傷を治療しにキャンプにやってきて、その後、自らの意思でシリアに戻り戦う子どもたちも報告されています。キャンプ内では、武装集団による勧誘も行われており、支援機関は監視を強めています。 ■安全や見返りを求める早期婚18歳未満の女子が結婚することを早期婚といいます。シリアでは、法律では結婚は16歳で認められていますが、実際には13歳ぐらいで結婚することがよくありました。シリアの早期婚では、これまで同世代の結婚が一般的でしたが、現在は、ヨルダンの年の離れた男性とシリア人女子の結婚へと変化しています。また、経済的見返りを求めて娘の結婚を決めるケースも生じています。 ■キャンプ内で働く子どもたち
シリアでは、特に貧しい地域では児童労働が行われてきました。おとなよりも子どものほうが仕事をみつけやすいことから、子どもを働かせようとする親もいます。子どもたちは、物売り、物乞い、清掃、建設、おとなの代わりに配給の列に並ぶなどの仕事をしています。 地域に避難する子どもたちも同じ危険と直面しています。ヨルダンの町や村に身を寄せるシリアの子どもたちや女性にも、基づく暴力や虐待、養育放棄、搾取、暴力などが起きていますが、キャンプと比べて、正確な情報が少ないのが現状です。 顕著な事例として、男児や男子が働いていることが上げられます。避難先である牧場で、親とともに長時間働いているとされ、ゴール(Ghor)では、就学前の子どもたち4300人のうち、44%が働いています。また、イルビッド(Irbid)では、建設作業や飲食業、小売業、製造業で、子どもたちが働いています。また、難民キャンプで暮らす子どもたちと同じく、若すぎる結婚や武装勢力への勧誘などの危険があります。 本レポートでは、教育、水と衛生、栄養と保健、メンタルヘルスと心のケア、若者の分野についても取り上げています。 ■参考資料:ヨルダンにおけるシリア難民の統計(2013年6月13日UNHCR発表による)
ヨルダン国内最大のザータリ難民キャンプには、約12万人が避難しています。毎週数千人規模で増加しており、新たなキャンプの開設準備が進められています。
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