メニューをスキップ 公益財団法人日本ユニセフ協会
HOME > 協会からのお知らせ2013年

ユニセフ協会からのお知らせ

国際非暴力デー:子どもに対する暴力根絶へ

【2013年10月3日 ニューヨーク発】

© UNICEF/NYHQ2010-2483/Kamber
コートジボワールの路上に暮らす16歳の男の子。腕には他の男の子から受けたナイフの傷が残っています。子どもへの暴力はすべての国で、社会の至るところに存在しています。

10月2日の国際非暴力デーは、マハトマ・ガンジーの誕生日を記念して制定されました。ガンジーの非暴力の哲学とメッセージは、数え切れない人々の心を揺り動かし、多くの自由と権利を求める運動を生み出してきました。

国際非暴力デーは「子どもに対する暴力の根絶」を目指し、決意を新たにする日です。世界各地で暮らす何百万人もの子どもたちは、学校や住んでいる地域、家庭のなかで日常的な暴力に苦しんでいます。それは外からは見えない、閉ざされた場所で行われることがほとんどです。この日は、私たち一人ひとりの生活の中に潜んでいる暴力の存在について考える日でもあるのです。

■ 身近に潜む暴力

© UNICEF/NYHQ2009-1772/Markisz
コロンビアの学校で、男の子(写真中央)がいじめられ、おもちゃを奪われました。暴力はいたるところにありますが、防止できないものではありません。そして私たち一人ひとりが、暴力の根絶のためになすべき役割があるのです。

私たちはみんな、いじめ、殴打、暴行、虐待など何らかの形で身体的、精神的暴力の影響を受けている誰かを知っています。だからこそ、「子どもに対する暴力の根絶」に向けて何かしらの行動をとることが、私たちが果たすべき責任なのです。

暴力は、子どもの心と身体に、短期的にも長期的にも様々な影響を及ぼします。学習能力や社会性の向上を妨げ、大人への成長過程を阻害し、子どもたちの将来に多くの遺恨を残す可能性があります。

多くの場合、子どもに対する暴力や虐待は、親や家族、養育者、教師、雇い主や権威者など、全くの他人ではなく知り合いの誰かによって引き起こされます。他の子どもたちが加害者になる場合もあります。しかし、通報され捜査が行われるケースはほんの一握りで、加害者が犯した罪を追及されるケースはほとんどありません。

子どもに対する暴力は防げないものではありません。ましてや、「暴力を防ぐことは不可能である」という単純な理由で、暴力が正当化されたり、許容されてはならないと、私たちは考えています。

■私たち一人ひとりができること

© UNICEF/NYHQ2011-2384/Pirozzi
フィリピン人エンジェル(仮名・16歳)は、彼女の雇用主によって身体的暴力と性的虐待を受けたのち、自殺を試みました。彼女は今、地域のシェルターで暮らし、加害者を告発しています。

    暴力を防ぐため、私たちが短い期間でできることがあります。

  • 子どもに対する暴力についての知識を得、学んだことを用いて周囲の関心を高め、行動を変え、さらに他の人々にも行動を起こすよう促すこと。
  • これらの問題に取り組んでいる仲間を探し、ネットワークを構築すること。そうすることによって、自分たちの地域において、暴力や暴力の原因となるものに立ち向かう発言力が増します。
  • 暴力を報告すること。そうすることによって、指導者や政策策定者が暴力の深刻さに気づき、理解することができます。それはこれまで公にされてこなかった暴力の実態が明らかにされるよう、彼らに注意喚起と対応を求める根拠にもなります。
  • ロビー活動を行い、地方や国の代表が、有効な法律をつくるように訴えること。ただ紙に書かれているだけの法律ではなく、実際に効力を伴って施行される法律でなければなりません!
    • 「子どもに対する暴力根絶」イニシアティブは、人々が協力し合って暴力の根本的な原因に対処することで、暴力の問題は解決できる、ということを示しています。そのためには、起こりうる問題を未然に防止し、また問題が起こったときに対応するための、すべての人のコミットメントと協力が必要です。

トップページへ先頭に戻る