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ユニセフ協会からのお知らせ

「忘れられた危機」 「報道されない災害」
ユニセフ 人道支援報告書 総額約100億円の支援を要請

【2009年1月27日】

ユニセフは、27日、世界で続く人道危機や自然災害などに対する支援活動の内容と、活動に必要な資金額などをまとめた2009年版「人道支援報告書」(2009 Humanitarian Action Report)を発表しました。

今年の報告書は、ユニセフが現在世界36カ国で実施している緊急人道支援活動に必要な資金を総額約100億円と見積もり、国際社会にその支援を要請しています。この金額は、2008年と比較すると17%増。アフリカ東部と南部の状況を反映しています。

「この報告書で取り上げられた国々の多くは、報道されない、または忘れられた『危機』に見舞われています。病気や貧困、飢餓により、多くの子どもたちや女性の尊い命が犠牲になっています。残念ながら、そうした事実の多くは、殆ど人々の目に留まることがありません。」ユニセフ事務局長アン・ベネマンは話します。

報告書によると、今回ユニセフが改めて支援を求める約100億円のおよそ半額は、コンゴ民主共和国、ソマリア、スーダン、ウガンダ、ジンバブエの5カ国で、ユニセフが人道支援活動を続けるための費用に充てられます。

© UNICEF/NYHQ2007-1416/Khemka
アフガニスタンのバレバグ村にある家の中で。孤児となった10人きょうだいの内の5人。アフガニスタンで続く武力紛争により、同国の40パーセントに、人道支援のアクセスが届いていない。

「つい先日、経済が破綻しコレラが大量発生しているジンバブエを訪問しました。国民の半数が食糧援助に頼らなくてはならない状況が続いています。保健や教育などの基本的な社会サービスも崩壊しています」と、過去2年間で、国連機関の長としてジンバブエを訪問した最初の人物となったベネマン事務局長は話しました。

過去10-20年の間に、深刻な自然災害被害も頻発するようになりました。事実、今回の報告書で網羅したユニセフの緊急支援活動は、全世界で実施されているそうした活動のほんの一部に過ぎません。2005年から2007年の間に、平均すると、毎年ユニセフは92カ国の276の人道危機に対応してきました。このうち、約50%は自然災害によるもの。30%は、紛争によるもの。そして19%は、感染症の突発的な広域発生などの人道危機でした。

報告書はまた、今回緊急支援を要請する国々の多くが、食糧価格の高騰や気候変動の影響も受けていると指摘しています。ユニセフは、各地で子どもたちへの栄養支援活動などを進めているが、今年、そうした活動に充てるべき資金が不足していると報告書は訴えています。

また、「気候変動により2010年までに世界中で50万人が飢餓に直面する」とする最近の研究を報告書は引用しています。今後10年間に、気候変動によって影響を受ける人々の65%が子どもと女性で占められるとする研究がありますが、もしこの予想が現実となれば、175万の子どもたちが、気候変動の影響を受ける計算になります。

ユニセフは、現在150の国と地域で活動を続けており、紛争や自然災害などの人道状況が発生した時、多くの場合、最初に支援活動をスタートする人道支援団体の一つです。

「この報告書が要請しているのは、人道危機状況に置かれている子どもたちに対し、ユニセフが効果的・効率的に支援を届けるために必要な資金です。多くの命を守るために必要な資金なのです。」(ベネマン事務局長)

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