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子どもの命を奪う世界で2番目の原因=下痢
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© UNICEF /2009 |
子どもの下痢性疾患の症状は、ほとんどの場合軽いものですが、急性の下痢性疾患の場合、深刻な脱水症状が引き起されます。この脱水症状は、すぐに水分が補給されないと死に至ります。このため、経口補水療法が非常に重要です。新たに開発された低浸透性経口補水塩(ORS)は、下痢性疾患に苦しむ子どもたちの脱水症状を防ぎ、子どもたちの命を守る、簡単で安価な治療法なのです。
世界の下痢性疾患による死亡の約88パーセントは、安全でない水、不適切なトイレ、劣悪な衛生環境に起因しています。2006年現在、世界で推定25億人の人々が適切なトイレを利用しておらず、開発途上国に暮らす4人にひとりは屋外で用を足しています。
安全な水と正しい衛生習慣は、子どもの下痢性疾患を予防するのに非常に効果があります。石けんを使った手洗いは下痢性疾患の症例を40パーセント以上減らすことが明らかになっています。石けんを使った手洗いは、この軽視されてきた問題(=下痢性疾患)による子どもの死を削減する、最も費用対効果の高い方法のひとつなのです。10月15日(木)は、「世界手洗いの日」です。80以上の国と地域で、子どもたちが、せっけんを使った正しい手洗い方法を一斉に学びます。
子どもたちの全般的な健康状態や栄養状態は、下痢性疾患へのかかりやすさと症状の深刻さに深く関係しています。栄養不良の子どもたちは下痢性疾患に陥りやすく、症状は、深刻で長期にわたる可能性が高い傾向があります。また、一旦罹患すると下痢を繰り返し、栄養不良の状態をさらに悪化させる大きな危険性があります。
本報告書が示す下痢性疾患の子どもたちの命を守るための7つのポイントは、治療に関する2つのポイントと予防に関する5つのポイントで構成されています。
【治療における2つのポイント】
【予防における5つのポイント】
1970年代と1980年代に行われた子どもたちの下痢性疾患予防キャンペーンでは、子どもたちの保護者への教育を実施し、脱水症状を防ぐための経口補水塩による治療法の普及を図りました。こうしたキャンペーンによって、大きな進展も見られましたが、その後、その他の保健問題に国際社会の焦点が向けられてしまったため、今改めて、下痢性疾患の治療と予防問題に対する関心と支援が緊急に求められています。