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ユニセフ協会からのお知らせ

児童ポルノや児童兵の問題から子どもたちを守るために
国連キャンペーンが間もなくスタート

【2010年5月25日 ニューヨーク発】

© UNICEF/NYHQ2010-0908/Shryock
左から、アンソニー・レークユニセフ事務局長、パン・ギムン国連事務総長、ビジェイ・ナンビアール官房長、ラディカ・クマラスワミ 子どもと武力紛争に関する国連特別代表、マルタ・サントス・パイス 子どもへの暴力に関する事務総長特別代表、李亮喜国連子どもの権利委員会委員長)

25日、国連事務総長はじめ、子どもの権利問題に取り組む国連の専門家がニューヨークのユニセフハウスに集まり、子どもの権利条約の二つの選択議定書−「子どもの売買、子ども買春及び子どもポルノに関する選択議定書」と「武力紛争における子どもの関与に関する選択議定書」−を世界中の全ての国が批准するよう求めました。

この二つの選択議定書の採択10周年を記念した本会議には、パン・ギムン国連事務総長、ユニセフのアンソニー・レーク事務局長、ラディカ・クマラスワミ子どもと武力紛争に関する国連特別代表、マルタ・サントス・パイス子どもへの暴力に関する事務総長特別代表らが参加。会議では、2012年までに、世界中の全ての国が二つの選択議定書を批准し、条約を実行していると宣言することを目的とするキャンペーンをスタートすることが発表されました。これらの選択議定書は、子どもの権利条約が保護している子どもたちの権利を、より強固に保護する役割を担っています。

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ユニセフハウスで開かれた選択議定書の採択10周年記念式典で演説するパン・ギムン国連事務総長。

「この二つの選択議定書は、極度の貧困や絶望的な状況の中で生まれた子どもたち、武力紛争によって国を追われた子どもたち、子どもを商品として扱うおとなに想像を絶するような強制労働を強いられている子どもたちといった、世界で最も弱い立場に置かれている子どもたちに対する国際社会の約束をまとめたものです。」 「世界の3分の2の国々がこの選択議定書を批准していますが、この約束を絶対的なものにするためには、世界中の国々が、この条約を批准し実行することが必要です。」ユニセフのアンソニー・レーク事務局長はこのように話しました。

「武力紛争における子どもの関与に関する選択議定書」は、現在132ヵ国が批准しています。25ヵ国は署名のみで批准はしておらず、36ヵ国は署名も批准もしていません。

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「選択議定書の全ての国々による批准を実現することは、国際社会に課せられた道義的な責務です」と述べたレーク事務局長。

「世界の子どもたちの状況を鑑みると、まだまだやらなければならないことが山積していることは明らかです。世界中の社会に潜むあらゆる形態の子どもたちに対する暴力への取り組みには、課題が残されています。」「多くの武力紛争で、子どもたちは兵士やスパイ、人間の盾として、あるいは性的な目的に利用されています。選択議定書を批准する国が増えることは、武力戦闘に参加したり、政府軍や非政府の武力組織に徴用される子どもがいない世界に近づくことになります。」ラディカ・クマラスワミ子どもと武力紛争に関する国連特別代表は、こう述べました。

もう一つの「子どもの売買、子ども買春及び子どもポルノに関する選択議定書」を批准している国は、現在137ヵ国。27ヵ国が署名のみで批准はしておらず、29ヵ国は署名も批准もしていません。

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選択議定書に関するパネルディスカッションに参加する国連専門家。

「この選択議定書は、子どもの売買、子ども買春、子どもポルノ、その他の形態の性的搾取に関する隠された問題を解決し、あらゆる形態の暴力から子どもたちを効果的に保護するために、社会を動員し、政治的な取り組みを変革させる重要なものです。」「この選択議定書は、各国の国内法が、子どもたちに対するこうした犯罪を刑事罰の対象とし、被害を受けた子どもたちの権利を守るために整備されるための促進役となっています。また、ある国々ではまだ刑罰の対象となっていない行為についても、他の国が国境を越えて罪に問えるようにするための国際的な合意を作る上での基礎にもなっています。」(マルタ・サントス・パイス子どもへの暴力に関する事務総長特別代表)

各締約国が子どもの権利条約の実施に努めているかどうかを審査する国連子どもの権利委員会の李亮喜委員長は、18歳未満の子どもたちの武力紛争への徴用を禁止する国の数が増加していると指摘しました。また、子ども買春、子どもポルノ、旅行先での性的搾取、セックス・ツーリズムを根絶するための国際的な取り組みも強化されていると述べました。

「しかしながら、子どもたちの全ての権利の保護を実現するためには、加害者に対する刑事罰の強化や、法律の厳格な執行を含め、多くの課題が残されています。」(李亮喜委員長)

国連は、各国政府に対し、選択議定書を批准して法令や政策などに反映させ、被害を受けた子どもたちを保護し社会復帰を促す支援を提供するよう求めるとともに、国連子どもの権利委員会への報告義務を履行するよう求めています。

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