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FGM(女性性器切除)ゼロトレランスデー2010 セミナー開催
13日(土)、日本ユニセフ協会はユニセフハウス(橋本正記念ホール)にて、女性性器切除(=Female Genital Mutilation、以下FGM)に取り組む日本のNGO、「FGM廃絶を支援する女たちの会」(WAAF)と共に、『FGMゼロトレランスデー2010セミナー』を開催しました。 FGM根絶に協力したいと結成された女性11人のグループ(ウォンガイ・ガールズ)による、西アフリカの太鼓のパフォーマンスで華やかに始まったこのセミナーは、寒い中お越しくださった皆様で会場はほぼ満席となりました。セミナー終盤の質疑応答では、会場からたくさんの意見が寄せられ、ホール入口に展示されたFGMに関するパネルを真剣な眼差しで見る方々も数多く見受けられました。 FGMとは、アフリカをはじめ長年にわたり世界各国で行われている、女の子や女性の性器の一部を切除してしまう慣習です。健康面で長期的な影響を及ぼすのみならず、心にも深い傷を負わせるFGM。ユニセフは、年間300万の女の子・女性がこの行為の被害にあっていると推定しています。
セミナーの冒頭で挨拶をした、ギゼ・マイナム・ジアル駐日マリ共和国大使は、マリにおけるFGMの深刻な現状とともに、根絶に向けた様々な取り組みが行われているものの、引き続きFGM根絶を推進する重要性を強調しました。 その後、フランスのドキュメンタリー番組『黒い苦しみ』が上映され、FGM禁止法をもつフランスにおいても、アフリカから移住してきた女性たちがFGMに苦しみ、その苦しみを克服すべく懸命に生きる姿が紹介されました。 また、人体模型を使ったFGMの具体的な説明の後に行われたトークでは、池上清子 国連人口基金東京事務所所長が、FGMをめぐる国際的な動向や各国の取り組みを説明すると共に、FGMという問題を①ジェンダーの観点、②人権の観点、③健康の観点という3つの観点から包括的に見ることが重要であり、日本も国際社会の一員として、FGMの問題に向き合う必要性があると述べました。 さらにセミナーの終盤には、再びウォンガイ・ガールズによる、西アフリカの太鼓、歌、踊りのパフォーマンスが披露され、力強いリズムに参加者の手拍子が加わり会場が一体となりました。アフリカにおける深刻な側面ばかりでなく、音楽という素晴らしいパワーを受けることができました。
最後に、赤松良子日本ユニセフ協会会長は、「FGMの問題を知ったときから、このようなことがあっていいのか、こんなことはあってはならないという気持ちでした。ユニセフは今後も、FGMの根絶に向け取り組んでいきます」と述べ、イベントを締め括りました。 |