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ユニセフ協会からのお知らせ

児童買春の根絶に取り組む旅行業者が、意気込みを新たに
コードプロジェクトセミナー開催

【2010年6月3日 東京発】

© 日本ユニセフ協会

観光地における子ども買春を根絶するために、ユニセフなどが世界の旅行業者に参加を呼びかけている「子ども買春防止のための旅行・観光業界行動倫理規範(Code of Conduct)」=コードプロジェクト。

日本でも2005年に発足した本プロジェクトに参加する企業や業界団体の代表で構成されるコードプロジェクト推進協議会が主催する、企業CSRを考える公開セミナーが、6月2日(水)、ユニセフハウスで開催されました。

世界的な問題に関わることの意義
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コード推進協議会の会長を務める、JTB広報室長の波潟郁代さん。

「日本でコードプロジェクトが発足してから5年が経ちました。日本でのコードプロジェクトの取り組みは、世界から注目されています。でも、日本の中で、私たちの取り組みをご存知の方は、まだまだごく一握りの方々です。」と語ったのは、コード推進協議会の会長を務める、JTB広報室長の波潟郁代さん。

「私たちが、日常の生活の中で、世界の様々な問題との繋がりを感じる機会はあまり無いかも知れません。コードプロジェクトに参加する企業としては、私たちのそうした問題への取り組みに、多くの方から共感を得たいと考えています。また、参加企業の方々には、このプロジェクトを企業価値を高めるCSR活動という観点から見ていただければと考えています。」と、今回、ドメスティックバイオレンスやエイズ、人身売買などの問題で世界的なCSR活動を展開されているザ・ボディショップ日本法人の株式会社イオンフォレスト代表取締役社長の宍倉芳男さんを講師に迎えた意義を説明しました。

「強い信念があれば・・・」
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ザ・ボディショップ日本法人の株式会社イオンフォレスト代表取締役社長の宍倉芳男さん。

宍倉さんが、ザ・ボディショップに入社したのは20年ほど前。「入社説明の時、企業理念の説明だけでいきなり3時間も費やされたことに、まず驚きました。」と語る宍倉さん。ザ・ボディショップの創業者アニータ・ロディックさんは、“企業には世界を良くする力がある”という信念を持った人でした。今、その信念は、現在、世界中のザ・ボディショップの現地法人やフランチャイズ店で、「化粧品の動物実験への反対」や「人権の尊重」「フェアトレードの推進」など、5つの価値(ファイブ・バリューズ)という形で、日々の営業活動や商取引を司る企業指針として、同社のホームページでも紹介されています。

このバリューズに基づき、1997年に日本でエイズ予防のキャンペーンを始めようとした時、ザ・ボディショップの店舗が入居する百貨店やターミナルビルからは、反対の声が上がったそうです。

「コンドームを配るなんてありえないと言われたんです。だから、最初はやれるお店だけでやりました。でも今は、全ての店舗でコンドームを配ることができます。子どもの人身売買の根絶を求めるキャンペーンも、全ての店舗で展開できています。それは時代が変ったんじゃなく、私たちが正しいことをやってきたからだと思います。強い信念があれば、必ず理解していただけると信じています。」(宍倉さん)

義務ではなく権利としてのボランティア活動

ザ・ボディショップでは、全社員に、月4時間のボランティア活動時間を認め、そのための交通費を支給しています。

「私も若い時は血の気が多くて、“ボランティアなんだからパンぐらい出せ!”とか思っていたんですが、実際に、老人ホームのシーツ交換で汗をかいて、その気持ちが吹っ飛びました。」「ボランティア活動は、義務ではなく権利として位置づけられています。会社には、社員がこの権利を使いやすいような環境を整える責任があるのです。」(宍倉さん)

商品やサービスの売り上げなどのように、数値ではその成果が表しにくいこうした活動。しかし、宍倉さんは、こうした活動に参加した社員やフランチャイズ店の方々は、「みな一様にガラッと変りますよ」と言います。

「海外に出かけた時、私がボディショップで働いているということを知ると、同じ“仲間”として歓迎されるんです。そこで直ぐ“垣根”が取れてしまうんです。」(宍倉さん)

コードプロジェクト・・・お客様も参加

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ジャパングレイス社の井筒陽子さん

コードプロジェクトに参加するジャパングレイス社。昨年から今年に掛けて同社が実施した「ピースボート世界一周の旅」の船上では、ユニセフとともに本プロジェクトを国際的に推進する国際NGOのECPATの日本事務所の職員による児童買春問題のレクチャーが開かれ、また、台湾やフィリピンでは、児童買春や児童ポルノの被害者やその問題に取り組む現地NGOなどを訪ねるオプショナル・ツアーが設定されました。

「参加された方々みなさん、まずは、小さな子どもたちが買春の相手をさせられているという事実。そしてそこに日本人が関わっているという事実を、信じられない様子でした。」と語るのは、ジャパングレイス社の井筒陽子さん。

このセミナーやオプショナル・ツアーに参加されたお客様は、旅行先地での児童買春を根絶する取り組みなどを日本政府に求める署名活動を実施。日本に帰港するまでに250名あまりから賛同の署名を集められたとのことです。

日本ユニセフ協会も協力しているザ・ボディショップの「ストップ!子どもの人身売買 トラッフィッキング反対キャンペーン」の詳細はこちら »

※コードプロジェクトとは、観光地における子ども買春根絶を目的とした「子ども買春防止のための旅行・観光業界行動倫理規範(Code of Conduct)」を、ユニセフ(国連児童基金)・UNWTO(世界観光機関)・国際NGOのECPAT(エクパット)等が世界的に推進するプロジェクトです。

詳細は、コードプロジェクトのホームページまで。

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