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10月15日 世界手洗いの日
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セレモニーで参加者が「下痢の歌」を歌っているところ |
10月15日は世界手洗いの日です。2008年に国連が定めた国際衛生年をきっかけに世界の各地で手洗い運動が広がっています。
石けんで手を洗うことは、世界の子どもたち、特に衛生環境の整っていない途上国の子どもたちにとっては、下痢や風邪などの感染症を防ぐための一番簡単で最も効果的な方法であると言われています。石けんを使って正しく手洗いが行われたら、100万人以上の子どもたちの命が救えるといわれています。
ここ東ティモールでも長い紛争と開発の遅れによって、子どもたちの栄養状態や衛生状態は深刻で手洗いの重要性が高まっています。今年も10月15日に東ティモールの各地で「世界手洗いの日」にちなんだイベントが開催されました。
エルメラ県の手洗いスピーチの最優秀賞者イヴォニアさん(小学校6年生) |
ディリから車で1時間程の山間にあるエルメラ県ライラコ小学校ではこの日近隣の小学校3校から手洗いスピーチコンテストで選ばれた代表者9人が集まり、表彰式と手洗いのデモンストレーションが実施されました。
ライラコ小学校の6年生のイヴォニアさんがエルメラ県の手洗いスピーチコンテストの最優秀賞に選ばれ、スピーチを発表しました。イヴォニアさんは正しい手洗いの仕方をみんなに教えてくれました。
「水と石けん、タオルを用意して、手をぬらしてから石けんを手につけます。手の平の内側、外側と洗って、指の間、爪の中まで石けん水でしっかり洗います。爪はウイルスに感染しないように短く切ります。これで下痢などの病気を防ぐことができます。」(イヴォニアさん)
イヴォニアさんたちがライラコ小学校の子どもたちの前で手洗いのデモンストレーションをしているところ |
東ティモールの学校では子どもから家族、地域へと手洗いの習慣が広がるように運動を進めています。
「私が1年生の時に手洗いの大切さを学校の先生から教えてもらいました。私には7人の姉妹と3人の兄弟がいます。学校から帰って、先生から教えてもらった手洗いの仕方を家族にも教えました。特に、ご飯を食べる前とトイレの後の手洗いが大切です。」(イヴォニアさん)
イヴォニアさんのお母さんポリーナさんもイヴォニアさんのスピーチコンテストの受賞を喜んでいます。
「イヴォニアは学校で習った保健の知識を家族にも伝えてくれます。石けんで手洗いをすると病気になるのを防げると兄弟姉妹に教えてくれました。娘が手洗いコンテストの最優秀賞に選ばれてとても光栄です。」
イヴォニアさんはこれからも学校の勉強に励んで、将来看護婦さんかお医者さんになって東ティモールの医療の向上に貢献したいと考えています。イヴォニアさんはスピーチの最後に、これからも東ティモールの子どもたちのために手洗い運動を続けてほしいと力強く訴えました。
石けんで手を洗おう。
さあ、手洗いをしよう。
下痢にならないように。
さあ、手洗いをしよう。
下痢にならないように。
〜「下痢の歌」より〜
東ティモールの子どもたちは今日も歌を歌いながら手洗いを実行しています。
補足:塚越さんは、2010年9月から12月までの予定で、ユニセフ・東ティモール事務所 教育セクションで、インターンをしています。
<国際協力人材養成プログラム 海外インターンとは?>
日本ユニセフ協会は、国際協力人材養成プログラムの一環として、国際協力・社会開発・子どもの人権などに関する研究を行っている主に大学院生を海外インターンとして公募、選考の後、ユニセフ現地事務所に派遣しています。本事業は、ユニセフのインターンシッププログラムに沿って、日本ユニセフ協会が2002年度より実施、これまでに計56名が派遣されています(2009年度)。
世界手洗いの日のポスター | 世界手洗いの日のイベントが行われたライラコ小学校(CFSの1校) |
地域の人々も手洗いに参加 | ユニセフから送られた保健の大すごろくマット | すごろくマットで遊びながら保健の知識も学ぶことができる |
手洗いスピーチコンテストの受賞者9名 (エルメラ県の3校から代表者3名ずつが授賞式に出席) |
イヴォニアさんとお母さん。 受賞者はユニセフからTシャツを受け取った。 |
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10月15日、日本各地でも正しい手洗いを広め、途上国での衛生の問題への関心を高める取り組みが行われました。公募で選ばれた100組の「世界手洗いの日」サポーターや、地域組織、協力企業のご協力で、子どもから大人までたくさんの人が、楽しく手洗いを行いました。
12月中旬に、プロジェクト公式サイトで、活動報告ムービーを公開予定です。ぜひ、ご覧ください。