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シリア緊急募金第90報
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© Syrian Arab Red Crescent (SARC)/B.AlHafez |
国連とシリア赤新月社は、ホムスの旧市街で包囲されていた地域から避難してきた人たちに、数日間、人道支援を実施してきました。避難してきた市民のうち、少なくとも500名は女性と子どもです。
ホムス旧市街の一角は、600日以上にわたり包囲されてきました。国連が仲介役を務め、包囲された地域において今回初めて、人道支援のための停戦が実現しました。
現場で立ち会ったユニセフの職員は「避難してきた子どもたちには、具合が悪そうで、衰弱しているように見えました」と子どもたちの様子を語りました。
攻撃対象になるリスクにもかかわらず、2月8日にホムス旧市街に入った人道支援団は、旧市街に残る住民向けの支援物資を搬入しました。物資には、ユニセフが提供した浄水剤なども含まれます。
旧市街の外には避難した子どもたちの受け入れセンターを設置。センターに到着すると、子どもたちには栄養価の高いサプリメントが投与されました。計380名の子どもたちには、直ちにポリオ、3種混合、B型肝炎やほかの感染症の予防接種が行われました。ユニセフのスタッフによると、避難者の中には、妊婦20名も含まれているとのことです。
ユニセフのスタッフは、支援が必要と判断された子どもたちが家族とはぐれていないことを確認するまで、子どもたちに付き添います。
ユニセフは、今回の人道支援を行う前の段階で、ホムスに閉じ込められている子どもは1,000人以上いると推定していました。
ユニセフ・シリア事務所代表のアブデル・ジェリルは「今回の避難は、現状打破として前向きにとらえています。しかし、これは始まりにすぎません。ユニセフは引き続き、ホムスをはじめシリア中で閉じ込められ、身動きの取れない子どもたちのことを極めて憂慮しています。紛争に関わるすべての勢力は、子どもたちを保護し、人道支援を行うための停戦を尊重し、支援を切望している人への人道支援のために国際人道法上の原則を順守しなければなりません」と続けました。
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今回の人道支援で、国連とシリア赤新月社に車両で、これまでに1,151名が旧市街から避難し、シェルターやホムスの親類のもとなどに身を寄せています。(※2月11日にジュネーブで行われた記者発表資料から、引用・追加してします)
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