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財団法人日本ユニセフ協会
 



シリア緊急募金 第113報
瓦礫の中でも人生は続く 教育が希望の光に

【2014年5月11日 シリア・アレッポ発】

アレッポの西部に住むサルマさん、16歳
© UNICEF/Syria-2014/Sonoda
シリア北部、アレッポの西部に住むサルマさん、16歳。

アレッポは激しい戦闘で破壊され、見る影もない状況です。昼夜を問わず、鋭い爆音を発しながら手当たり次第に砲弾が発射され、爆弾が投下され続けています。これが、アレッポの住民やサルマさん*とその家族の悲しい日々の現実です。

一年前、サルマさんがバルコニーで洗濯物を干している時、近所に砲弾が着弾しました。砲弾は爆発し、榴散弾の一部が、サルマさんの顔に当たりました。サルマさんの顔にできた傷跡は、一生涯消えることはありません。その傷跡は、シリア国内で多くの子どもたちが受けている暴力の深刻さを物語っています。

「教育が、人生に希望の光を与えてくれます」

アレッポでの戦闘により、サルマさんと家族は、アレッポ東部にある自宅を離れなければならなくなりました。その結果、サルマさんは、1年間、学校に通うことができませんでした。

しかし、サルマさんは明るく、学習するモチベーションを維持しています。「たとえ瓦礫の中で暮らしていても、人生はまだまだ続きます。ここが私の家であり、他に行くところはありません。読み書きをし、知識を得ることは楽しいです。教育は、私の人生に希望の光を与えてくれます」と語ってくれました。

現地NGOでユニセフのパートナー団体でもあるナマ・ソサイエティからの支援を受け、サルマさんは、シリアの義務教育最終学年である9年生の修了試験の準備に追われています。

サルマさんの夢は、ジャーナリストになることだと言います。なぜなら、「人生は厳しく、不公平です。私は、その実態を究明し、世界中の人々に知らせていきたいのです」と、話してくれました。

*文中の名前は仮名です。