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財団法人日本ユニセフ協会
 



シリア緊急募金第83報
ポリオ予防接種キャンペーン実施できず
戦闘激化する北部ラッカ周辺で

【2014年1月13日 シリア・ダマスカス】

© UNICEF/JORDAN2013/Lyon
経口ポリオワクチンを投与されるシリア難民の男の子(2013年にヨルダン・ザー タリ難民キャンプで行われたポリオの予防接種にて)

ユニセフとWHOは、シリア北部の都市ラッカ(Al-Raqa)で、戦闘激化により、子どもたちへのポリオ予防接種キャンペーンが実施できない状況にあると、強く非難しています。

いかなる場所に住んでいようとも、シリアのすべての子どもたちが確実に予防接種を受けられるよう、ユニセフはWHOとともに活動を継続しています。

1999年以降、ポリオが根絶されていたシリア。しかし、昨年10月下旬にシリア国内でポリオの感染例が10件以上確認されました。ユニセフはWHOやパートナー団体とともに、ポリオ封じ込めのために、シリアを含む中東7カ国で過去最大規模の予防接種キャンペーンを12月から開始。5歳未満のすべての子どもたちを対象に、数カ月間にわたって実施されています。必要なポリオワクチンの数は、シリア国内だけで1,000万回分。WHO東地中海地域事務所のアラ・アルワン代表は、予防接種のための6カ月間の戦闘停止を求めていました。

シリアと周辺国の子どもたちにとって、ポリオは深刻なリスクです。ポリオは感染力が強く、四肢に麻痺を引き起こし、その影響は生涯に渡ります。すべての子どもたちは、この恐ろしい病気から守られる権利を持っています。

現在続いている戦闘は、ポリオ予防接種キャンペーンの実施を妨げているだけではありません。シリアの人々、特に女性と子どもたちが置かれている状況は日に日に悪化し、生活は悲惨さを増しています。

ユニセフは、この戦闘に加わっているすべての関係者に対し、直ちに戦闘を停止し、すべての子どもがポリオ予防接種を受けられるよう、そして、命を守るあらゆる人道支援が届けられるよう、強く訴えます。

© UNICEF/JORDAN2013/Lyon
遠隔地でも持ち運べる、ユニセフの予防接種キット。車両が通れないような道なき道も、人の手によってワクチンが運ばれています。

■統計情報

◆シリア国内で影響を受けた
子どもの数:4,299,600人、人々の数:9,347,000人 (SHARP 2014)

◆シリア周辺国で難民として登録、または登録待機中の人数 子どもの数:1,214,226人、人々の数:2,365,588人 (UNHCR/2014年1月9日)

◆必要とされている資金 シリア国内: 1億1,046万米ドル、シリア周辺国: 3億6,019万米ドル (2013年1月-12月)

※15日には、国連の第2回シリア人道支援会合がクウェートで開かれ、シリアの人道危機への資金対策が協議されました。22日には、スイスでシリア和平国際会議が開催されます。

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