シリア緊急募金　第108報
激化する内戦で社会インフラは大打撃
イラクで14年ぶりのポリオ、ユニセフは予防接種支援を実施

【2014年4月17日　アンマン発】

難民キャンプ内のユニセフが支援する学校にある子どもの保護センターで、工作をする女の子。

4年目を迎えたシリア内戦。長期化し、激化する内戦で社会インフラが大打撃を受けています。国内の水処理施設の３分の１はすでに機能しておらず、6割の保健センターは破壊され、350万人が包囲され、人道支援を受けることもできていません。

人道支援に欠かせない「道路」も、さまざまな勢力に占拠され、包囲された一部の都市には支援はおろか、たどり着くこともままならない状況です。

ユニセフの情勢レポートから、紛争下の子どもや難民の人数、シリア・ヨルダン・レバノン・イラク・トルコ・エジプト各国でのユニセフの支援活動などの様子をお伝えします。

＜ポリオ予防接種＞

3月30日、イラクの保健省は2000年以降初となるポリオの感染を発表。ユニセフは5 歳未満児を対象としたポリオの予防接種キャンペーンを継続。4 月6〜10 日に行われたキャンペーンでは、およそ520 万人(速報値)の子どもに予防接種を実施。
シリア国内での4 月のポリオ予防接種キャンペーンは、推計290 万人(速報値)の子どもに実施。同様のキャンペーンは4 月に隣国レバノンでも実施されており、結果は集計中。

＜教育＞

レバノンにおいて、ユニセフは6 万１,490 人の子ども(困難な状況下にある1 万7,957 人のレバノン人の子どもを含む)の公立学校への入学を支援し、教育分野全体でこれまでに13 万9,000 人が支援を受けた(今年2 月時点では11 万4,000人)。加えて、ユニセフは2014 年以降2 万9,713 人の子どもを対象としたノンフォーマル教育の提供も実施。

＜水と衛生＞

ユニセフ主導による水と衛生セクターは、4 月7 日〜9 日、首都ダマスカスでワークショップを開催。シリア全国から150 名が参加。これまでに、ユニセフと赤十字国際委員会は公共水道事業に浄水剤を配布しており、約169 万人を支援。

＜支援が届けられた世帯数＞

ユニセフは4 機関合同の支援活動に参加、以下、支援結果
【ダマスカス近郊】ドゥマ（Douma）：2,800世帯
【イドリブ】サルマダ(Sarmada)：3,500 世帯、サラキブ(Saraqib)：4,000 世帯
【ホムス】テルマレ(Termalleh)：3,000 世帯、アル・ガント(Al Ghanto)：1,000 世帯

◆シリア国内で影響を受けた
子どもの数：4,299,600 人
人々の数：9,347,000 人
（SHARP 2014）

◆シリア周辺国で難民として登録
または登録待機中の
子どもの数：1,379,986 人
人々の数：2,700,560 人
（2014 年4月17 日）

◆必要とされている資金(2014 年)
シリア国内： 2 億2,219 万米ドル
シリア周辺国： 6億1,302万米ドル
（2014 年1月-12 月）

シリア危機：避難民などの数(2014年4月17日時点)

■シリア国内

出典：*OCHA、2014。
他の数値は、人口の46%が18 歳未満の子どもであるという2011年の調査及びUNHCR の推計値に基づく。

■周辺国

出典：UNHCR、2014年4 月17日 ※登録待機中を含めて合算

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