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財団法人日本ユニセフ協会
 



シリア緊急募金 第107報
シリア内戦:
無条件での人道アクセスの確保を
国連5機関リーダーによる声明

【2014年4月23日 ニューヨーク・ジュネーブ・ローマ発】

シリアからトルコへ避難している14歳の男の子。
© UNICEF/NYHQ2014-0161/Shehzad Noorani
シリアからトルコへ避難している14歳の男の子。家族の生活を支えるため、働かざるを得ない。

1年前、国連機関のリーダーたちは、シリア危機で増大する人道面での影響に対応するに当たり、命と未来が危機的状況にある何百万ものシリアの人々に代わり、「もうたくさんだ(Enough)」との緊急アピールを発表しました。

しかし、緊急アピールの大部分は実現されていません。戦争は多くの場所で激化しています。人道状況は、日に日に悪化するばかりです。アレッポやホムス旧市街、そのほか多くの地域に留まる市民は、激しい戦闘を目の当たりにしています。情勢はさらに悪化するとみられています。

激化する戦闘、阻まれる人道アクセス

ここ数週間で戦闘は激化し、アレッポだけでも、少なくとも100万人が、緊急支援を必要としています。しかし、アレッポにとって生命線であるダマスカスからの道路は、しばしば通行できません。アレッポ市とアレッポ県の郊外では、125万人もの人が食糧を必要としています。そのほかの主要な道路も、異なる武装勢力や武装集団に占拠され、通行できません。

4年目に入ったシリア内戦。シリア全体で930万人以上が紛争の影響を受けています。国内の水処理施設の3分の1はすでに機能しておらず、6割の保健センターは破壊され、350万人が包囲され、人道支援を受けることもできていません。内戦に関わりのないシリア市民は、勇気のみで生き延びているとみえるほどです。

人道機関は国内外のNGOと連携をし、たとえ、大きな危険にさらされ、現場スタッフの犠牲を強いられようとも、こうした人々の命を守り、苦難を和らげるためにできうる限りのことをしています。しかし、これまでの取り組みは十分なものではなく、支援を必要としている人々はまだ大勢いるのです。

より多くの紛争下にある人々に支援を届けるためには、この恐ろしい戦闘に関わっている人々や、影響を及ぼしている人々に、より一層の行動を求めなければなりません。

本日、この残虐な紛争に関わるすべての勢力に対し、以下の行動を直ちにとることを求めます。

  • シリア国内また国境において、あらゆる可能なルートの使用を認め、支援を必要とする人すべてへの無条件での人道アクセスを確保すること
  • アレッポやホムス旧市街、ヤルムーク、東グータ(East Ghouta)、モアドハミク(Moadhamieh)ヌブル(Nubl)、ザフラ(Zahra)など、完全に包囲されている市民を直ちに解放すること
  • 政府軍また反政府勢力による市民への無差別爆撃をやめること、国際人道法の違反をすべてやめること

失われないシリア市民の勇気と決意

シリア内戦を終わらせるべく外交努力が重ねられてきましたが、失敗に終わっています。失われなかったのは、シリア市民の生き延びようとする勇気と決意だけです。この悲惨で悲劇的な戦争を終わらせる責任と権力、影響力を持っている人々には、一般市民と同じだけの勇気があるでしょうか。同じように勇気を持てるのでしょうか。

シリア市民があきらめない限り、我々はシリア市民とシリアを助けることをあきらめません。

* * *

本声明は、ヴァレリー・エイモス国連人道問題調整事務所(OCHA)緊急援助調整官、ユニセフのアンソニー・レーク事務局長、アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官(UNHCR)、国連世界食糧計画(WFP)のアーサリン・カズン事務局長、世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長による共同声明です。

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