|
シリア緊急募金 第97報
|
© UNICEF/NYHQ2013-0682/Shehzad Noorani |
2013年9月にヨルダン行われた予防接種キャンペーンでワクチンの接種を受ける女の子。 |
中東では、地域の子どものうち1,000万人を対象に今月大規模なポリオ予防接種キャンペーンが実施されます。3月2日から、エジプト、イラク、ヨルダン、シリアで、3月9日よりレバノンでも開始します。
シリアのダマスカス郊外のクドサヤの保健センターで働くクザマ・ラシードさんは「5歳未満の子ども全員に、予防接種歴に関わらず、予防接種キャンペーンごとにポリオワクチンを2滴投与する必要があります。予防接種を受けていれば、ウイルスに感染せず、ポリオを予防できるのです」と述べました。
シリアでパキスタン発の野生株ポリオウイルスの発生が確認されたことから、中東地域では複数国にまたがる予防接種キャンペーンを実施、今回の取り組みはその一環です。計画全体では、地域の7ヶ国2,200万人以上の子どもを対象に、6カ月をかけて複数回の予防接種を行う予定で、過去最大規模となります。
WHO東地中海地域事務所の代表アラ・アルワンは「ポリオは国境に関係なく広がります。シリアで確認されたポリオは、シリアだけの問題ではなく、地域をあげての取り組みが必要です。中東地域の子どもの安全のために、シリアでポリオを食い止めることができるかどうかは、我々の取り組み次第なのです」と述べました。
2013年10月28日、シリア保健省は約15年間確認されていなかったポリオの発生を確認したと発表しました。ポリオが確認されてから行われた大規模な予防接種キャンペーンは今回で4回となり、今年1月と2月に行われたキャンペーンでは、シリア国内の全県でポリオ予防接種が行われました。
ユニセフ中東・北アフリカ地域事務所代表のマリア・カリビスは「複数国でこんなにも多くの子どもたちに予防接種を行うのは、大変な仕事です。各国、とりわけシリアでは、予防接種キャンペーンを効果的に実施するのが、極めて困難な状況にあります。しかし子どもたちをポリオという恐ろしい病気から守るには、予防接種が有効で唯一の方法です」と述べました。
【関連ページ】