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財団法人日本ユニセフ協会
 



シリア緊急募金 第117報
過去50年以上で最少の降雨量
シリアと周辺地域の子どもたちに目下迫る脅威

【2014年6月6日 アンマン(ヨルダン)/ジュネーブ発】

© UNICEF/2014/Bassam Khabieh

シリアの一部は、過去50年以上で最少の降雨量を記録しています。ユニセフは、内戦で荒廃しているシリアの400万人以上の子どもたちがさらなる危機に置かれていると警鐘を鳴らします。2014年にユニセフがシリア及び周辺地域の水と衛生危機を回避するための活動に必要としている資金のうち、提供された資金はわずか20%にとどまります。水不足と資金不足が相まって、状況の厳しさは増しています。

地元住民とシリア難民の間の緊張高まる

シリア国内における水不足は、極めて深刻です。すでに紛争によって650万人が避難していますが、水不足により、今後、自宅を離れ避難する市民が増えると思われます。レバノンとヨルダンでは、水の供給量の減少を含め、限られた資源をめぐって地元住民とシリア難民の間の緊張が高まっています。

3年以上の内戦でシリア国内の給水インフラが荒廃したこともあり、現在の水不足は、水の利用に大きな影響を与えています。この問題の深刻さを訴えるため、ユニセフは本日、水とトイレ、衛生に関する特別資料「枯渇:シリアと周辺地域が直面する水危機(原文:Drying up:The growing water crisis facing Syria and the region)」を発表します。

懸念される資金不足

イラク北部のドミーズ難民キャンプにある学校で水を飲む少女。
© UNICEF/UKLA2013-00960/SCHERMBRUCKER
イラク北部のドミーズ難民キャンプにある学校で水を飲む少女。

ユニセフ中東・北アフリカ地域事務所のマリア・カルヴィス代表は「現在の紛争と夏の強烈な暑さに加え、安全な水の不足は、より多くの市民の避難と厳しい状況に置かれている子どもたちの間に病気が蔓延する恐れを引き起こします」と述べ、ユニセフとパートナー団体による地域全体での水資源の利用に関する支援計画が資金不足に直面し、実施困難になっていることを付け加えました。

「支援者のみなさまに、あたたかいご支援をお願い申し上げます。活動資金が得られなければ、活動の一部を停止または削減せざるを得ません。そうなれば、子どもたちは、水が媒介する人から人へ感染しやすい病気にかかる危険性が極めて高くなります」と訴え、支援を呼びかけています。