シリア緊急募金 第145報
トルコ:
シリア難民の子どもたちへ
ポリオ予防接種キャンペーンを実施
【2014年10月22日 イスタンブール(トルコ)発】
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© UNICEF Turkey/2014/Yurtsever |
イスタンブール・フェイスにある家族保健センターで予防接種を受ける8カ月の女の子。 |
イスタンブール歴史地区にある町、フェイス。アラビア語の標識や広告、店が立ち並ぶ移民の町は、トルコにやって来た150万人以上のシリア難民にとっても、魅力的な町です。
最近、ある広告がフェイスで暮らす住民の注目を浴びています。ポリオの予防接種を呼びかける、ユニセフ・トルコ事務所と保健省によって作成された広告です。子どもたちをもつ家庭に対し、予防接種キャンペーンの認知を高め、予防接種を促進するためのポリオ予防接種広告は、国内で最も購読者が多い新聞の紙面にも無償で掲載されました。トルコは2002年にWHOによってポリオの根絶が確認されていますが、予防接種活動は極めて重要です。現在約150万人のシリア難民を受け入れており、ポリオの再発が確認された国々からやって来る子どもたちが大勢いるからです。
イスタンブールの予防接種キャンペーン実施地区に選ばれた6つの地区のひとつ、フェイスにある家族保健センターには、子どもに予防接種を受けさせるため、親たちが列をなして順番を待っています。
携帯電話で呼びかけ
エロール・サブンチュさんも、予防接種にやって来ました。「『子どもに予防接種を受けさせよう』という、携帯電話のテキストメッセージを受け取りました。娘は、今日が2回目の接種です。予防接種キャンペーンが実施され、とても嬉しいです」と語るエロールさん。予防接種キャンペーンの参加者を増加させるため、フェイス地区は、予防接種を呼びかけるテキストメッセージをこの地域で暮らす全世帯に送信しました。エロールさんの5歳の娘、エリズちゃんは、予防接種カードを持って笑顔で家に帰って行きました。
8カ月のメリムちゃんとアーメットちゃんも、家族保健センターに予防接種を受けに来ました。ふたりの両親も、携帯電話のテキストメッセージで予防接種キャンペーンについて知ったと言います。
シリア難民の子どもたちを、ポリオから守る
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© UNICEF Turkey/2014/Yurtsever |
イスタンブールの町に掲示されている、ポリオ予防接種キャンペーンの広告。 |
フェイスの大通りから一歩入った小さな裏道では、ボランティアのシリア人医師と看護師が忙しく動きまわっていました。そこはシリア人協会の事務所で、シリア難民たちが子どもをポリオから守るため、予防接種の列に並んでいました。
ふたりの子どもの母親、バヤン・ネラビさんも列に並んでいました。バヤンさんは1年ほど前、アレッポからイスタンブールへ家族で避難してきました。3歳になる息子のアブドゥラマンくんと2歳のムハンマドくんは、1回目のポリオ予防接種もここで受け、2回目は定期健康診断で受けたといいます。おとなしく予防接種を受けた兄アブドゥラマンくんの横で、弟のムハンマドくんは塩気のあるワクチンの味に顔をしかめていました。
2歳のイブティサムくんもアレッポ出身です。イブティサムくんと母親は、イスタンブールで1年半ほど暮らしています。イブティサムくんが1回目のポリオ予防接種を受けたのは4カ月前。今日2回目の投与を受け終わり、母親の腕に抱かれて家に向かいます。
移動チーム
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© UNICEF Turkey/2014/Yurtsever |
移動保健チームが戸別訪問を行い、予防接種を実施。 |
保健センターでの予防接種だけでなく、移動保健チームによる戸別訪問も行われました。移動保健チームは、「子どもたちに予防接種を受けさせよう」という、ユニセフと保健省のロゴが入ったTシャツを着て、一軒一軒家を訪ね歩きます。予防接種を受けていない子どもたちに予防接種を実施し、不在の場合、保健センターに子どもを連れてくるようにメモを残します。
予防接種キャンペーンには多くの関心が集まっており、目標は達成できる見込みだと保健省の職員が話します。1回目の予防接種キャンペーンは7月に行われ、2回目の今回は、イスタンブールのエセンユールト、フェイス、サンキャックテップ、 ウムラニエ、クチュクツェクメツェ、スルタンジ、スルタンガーズィーで実施されました。
ユニセフは国境を越えてやってくる子どもたちにも予防接種を行うため、2013年からポリオと3種混合予防接種キャンペーンを実施。紛争で予防接種を受けられていない可能性のあるシリア難民の子どもたちに重点を置いて支援を実施しています。
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