|
シリア緊急募金 第128報
|
© UNCIEF Syria/2014 |
リームさんと生後2カ月の息子。 |
壁の漆喰が所々剥がれ落ち、家具もほとんどない閑散とした部屋の中。リームさんは部屋の隅に置かれたマットレスの上で、2カ月になる息子と一緒に座っていました。泣き出した赤ちゃんを、リームさんが優しくあやします。
リームさんは15歳ですが、年齢よりも幼く見えます。シリアで暮らしていましたが、身の危険を感じ、安全を求めて2年前に家族と共にヨルダンに避難してきました。
そして1年前、同じ村出身の21歳のアブドゥルさんと結婚しました。2人が初めて会ったのは、婚約の日でした。2人共、家族はヨルダンに身を寄せており、近くで暮らしています。しかし、結婚のお祝いは行いませんでした。厳しい環境のなかで、毎日を生きることに精一杯だからです。
「15歳で母親になるなんて、想像もしていませんでした」 紛争で自宅から避難をしなくてはいけなかったこと、結婚をして母親となったこと。リームさんは自身の経験を、まるで他人事のように、淡々と話します。
しかし、リームさんのようなケースは珍しくありません。ユニセフが発表した最新の報告書によると、2014年の1月〜3月にヨルダンで登録されたシリア人の結婚のうち、およそ3人に1人が18歳未満で結婚しています。
リームさんは、シリアからの避難後に女の子たちが置かれる環境の明らかな変化を感じています。「ヨルダンに避難してから、シリア難民の女の子たちは幼い年齢で結婚するようになりました」リーム自身、結婚をして学校を退学せざるを得ませんでした。「学校で再び勉強をすることはできません。母親になった私には、責任がたくさんありますから」とリームさんが語ります。
教育を十分、もしくは全く受けることができなかった女の子たちは、中等教育を受けた女の子と比べて、児童婚をする確率が最大6倍も高まります。