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ユニセフ協会からのお知らせ

「アルマ・アタ宣言」から30年・・・
子どもたちの命を守るために、更なる前進が求められます。

【2008年10月15日 カザフスタン発】

ユニセフ事務局長アン・ベネマン(前列中央)、WHO事務局長マーガレット・チャン(前列左端)と、各国から集まった若者の代表
© World Health Organization/2008
「アルマ・アタ宣言」採択30周年を記念する国際会議に参加したユニセフ事務局長アン・ベネマン(前列中央)、WHO事務局長マーガレット・チャン(前列左端)と、各国から集まった若者の代表。

1978年、旧ソ連邦のカザフ共和国の首都アルマ・アタで、ユニセフやWHOの呼びかけで開催された国際会議は、「西暦2000年までに全ての人に健康を」と訴えた「アルマ・アタ宣言」を採択しました。今月15日、同宣言採択30周年を記念して、カザフスタンのアルマティで開かれた国際保健会議で、アン・ベネマン ユニセフ事務局長は、政府、国際パートナー、NGO、民間企業の間の力強い協力を通して、基礎的な保健サービスの供給体制の規模を拡大していかなければならないと訴えました。

ベネマン事務局長は、新しい技術やサービス提供メカニズムの導入、様々なパートナーシップによって、開発途上国の疾病の根絶や健康水準の向上は日々進展していると報告しました。

「肺炎球菌やロタウィスルに対するワクチンや、マラリアやHIVの新薬、栄養不良時に治療的に簡単に使える食品など、新たに開発された技術や製品が、疾患や栄養不良への取り組みに新たな可能性を切り拓いています。」(ベネマン事務局長)

HIV/エイズ=「アルマ・アタ宣言」が想定していなかった問題

世界の飢餓と栄養不良問題を訴える「世界食糧デー」と、日を同じくして開催された今回の会議。ベネマン事務局長は、「栄養は、人が健康であることの大前提となる問題です」と訴えました。妊婦と子どもの栄養不良は、5歳未満の子どもの死亡の3分の1に関係していると言われています。

ベネマン事務局長は、また、HIV/エイズが、世界の保健状況に、決定的な変化をもたらしたと述べました。

「前回の会議以降、多くのコミュニティと国々、特にアフリカ南部の国々がHIV/エイズによって壊滅的な被害を受けました。HIV/エイズは、人々の生存と健康にとって、最大の脅威の一つであり続けています。2007年の1年間で、200万人が、エイズで命を落としています。」(ベネマン事務局長)

30年目の課題

ナイジェリアの学校で、ポリオワクチンの接種を受ける子どもたち。
© UNICEF/HQ07-0232/ Nesbitt
ナイジェリアの学校で、ポリオワクチンの接種を受ける子どもたち。ナイジェリアでは、宗教指導者も、こうしたキャンペーンに協力し、正しい健康知識の普及などの活動を担っている。

1978年、この地に集まった世界140カ国の代表は、「アルマ・アタ宣言」を通じて、住む場所や貧富の差に関わらず、全ての人が、可能な限り最善の健康状態を確保できるように、必要なサービスを提供することを約束しました。

30年後、ベネマン事務局長とマーガレット・チャンWHO事務局長とともに、世界60カ国以上の代表者が再びこの地に集結。これに合わせ、世界中から若者の代表もこの会議に参加し、自らに影響を及ぼす重要な保健問題について、一連の提言を発表しました。

「健康は、生産性と繁栄の基盤そのものです。全ての人々が等しく健康であることは、その社会の団結と安定に繋がります」と語るチャンWHO事務局長に続き、ベネマン事務局長は、保健関係の統計や調査システムを更に整備し、進捗状況を把握することの重要性も強調。こうしたことが、各国が、基礎保健サービスの制度を更に促進させ、女性や子どもをはじめとする人々の健康増進に具体的な成果を上げるための投資を増加することに繋がる、と述べました。

「何人の命が守られたのか。何人の健康状態が改善されたのか。私たちの取り組みは、そうした数字でこそその成果が測ることができるのです」(ベネマン事務局長)

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